いえづくりの前に考える事。

アルミ VS 樹脂 (サッシのお話)

今回は、サッシのお話です。

昔から、住宅に多く使われているアルミニウム製サッシ
そして、断熱や気密の重要性が認識されるようになって、日本でもようやく普及してきた樹脂製サッシ
この二つを比べてみたいと思います。

● 価格

以前はアルミサッシと樹脂サッシとでは、驚くほど価格差がありましたが、樹脂サッシの需要が増えてきたせいなのか、大分価格差はなくなってきました。

 

● 操作性

樹脂という素材はアルミに比べて強度が低いです。
同じ強度を得ようとするとどうしても肉厚になってしまいます。
すると窓そのものの重さが重くなってしまいます。
重いと動きも悪くなります。
アルミは軽金属といわれるように金属の中でも軽い分類に属する材質です。
軽量化の為に自動車や電車にも使われてますね。
引き違い窓や片引き窓のように、下に車が付いていて滑らすように動かすサッシはアルミ製のほうが多少動きは良いようです。
丁番等が付いていて、突き出すように動くサッシ等は、どちらもあまり変わりはないかと思います。

 

● 熱伝導率

ハーゲンダッツも認めたというアイス専用スプーン「Lemnos15%(レムノス)」という商品をご存知ですか。
無垢のアルミニウムを使っていて、熱伝導率の高さを利用し、スプーンを持つ手の熱でアイスクリームを溶かしながらすくう。というものです。
それほどアルミニウムという素材は熱を伝えやすいのです。
すなわち、窓に使った場合、内外の寒暖差が大きいと結露しやすいということになります。
目に見える部分の結露だけなら拭けば済むのですが、問題になるのは隠蔽されている箇所です。
木造建築の場合は窓枠は柱等の木でできた部材に直接ビス留めされている場合もあります。
その接している部分に結露が生じると家にとって悪い影響を与えます。
カビや腐りです。湿気を通さないように処理されていれば結露は起きないのですが、窓周りは他の場所と比べると複雑な構造になっている為に水分を完璧にカットすることはとても難しいです。
最近はサッシと木部との間に防水シート等を挟んで、木部が濡れないようにするようになりましたが、それでも結露は好ましくないです。
樹脂サッシの熱伝導率はアルミの1/1000です、これは樹脂サッシの最大のメリットです。
外部の熱を室内に伝えにくいので、温度管理が容易なのと、結露しにくいのが特徴です。

 

● 劣化性能

金属(アルミ)とプラスチック(樹脂)を比べたら金属のが強度があっていいのでは!というイメージですがそうとも言えないと思います。
サッシに使用されている樹脂は、塩化ビニル樹脂です。
特性としては、長期にわたり強度を維持できる安定性、劣化しにくい耐久性、優れた接着性。
また、ほかのプラスチックが可燃性であるのに対し、塩化ビニルは、燃えにくい難燃性です。
さらにサッシにいたっては表面をアクリル層で塗膜がしてあります。 
それと塩の影響を受けないので海の近くの潮風を浴びるような場所にはいいかと思います。  

 

● 窓の種類(開き方)

樹脂サッシはアルミサッシと比べると、窓の動き方のバリエーションはとてもすくないです。
ですが、住宅に使う窓の種類は限られているので、あまり気にすることはないと思います。
・引き違い窓
・片引き窓
・上げ下げ窓
・縦滑り出し窓
・横滑り出し窓
・嵌め殺し
・片開き扉
これくらいのパターンしか有りませんが、住宅において他に使いたい窓ありますか?

いろいろ比較してみると、樹脂サッシを使用することをお勧めいたします。

 

アルミと樹脂の複合サッシではなく、オール樹脂です。お間違いないように・・・

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。


ブログランキング・にほんブログ村へ ブログ王バナー.gif